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■ スーパーマリオ in インド その2


《僕と彼らをつないだその小さな機械・・・》


そこで、おもむろにチビッ子の前に立ちはだかり、コントローラーを要求する、

男マリオこと、俺。

「ちょっとかしてみ。兄ちゃんが、裏技見せちゃる」

そうやって、かたことの英語で言うと、どうやら、ちびっ子達、英語もよく分っていないようなのだが、

「うらわざ」
というところだけが、なんとなくニュアンスが分ったようで、

「ウラワザ・ウラワザ」

と、仲間同士ではしゃぎだした。何とも言えない共有感がそこにはあった。

「マリオは世界をつないでるよ・・・」

やはり、おそるべし任天堂!!!

さあ、いくぜ。マイマリオ。スーパーマリオの裏技といったらアレだろ。やっぱ・・・

無限増殖だろ!!!

ということで、常時Bダッシュで、さくさくっと3−1までステージを進ませる。
その華麗なプレイに食い入るように見入っているちびっ子達。何だか目が
キラキラしている。

「何だよ、お前ら可愛いじゃねえかYO!」

地下鉄の中でトランスぶっこいてる日本の小学生の100億万倍は可愛いよ。

さあ、きたよ。ポール間際の段々。
ここで2匹降りてくるノコノコの1匹目を、ファイアーボールでやっつけて、2匹目をうまく踏めれば完成っと。

踏む。踏む。踏みまくる!!! マリオが亀を踏みまくる。遥かインドで踏みまくる。
バブル崩壊なんて、ふっとばせって勢いで踏みまくる!

それと同時に、無限に1upしはじめるマリオ。

さあて、チビッ子たち。どんな顔してるかな・・・

うわ! すっごい輝いた瞳してるよ!

そのうち、どこからともなく

「ウラワザ・ウラワザ」

と、歓声が上がりはじめた。

店の親父も出てきて、

「兄貴、す、すげえよ」

みたいな顔をしてる。

ああ、なんて気持ちいいんだ。
スーパーマリオの無限増殖だけで、こんなにヒーローになれるなんて・・・おいら、し・あ・わ・せ。

その後、店の親父がサイダーを奢ってくれて、コントローラーをチビッ子に渡して、
のんびりと子供達のプレイを眺めてました。
彼らは本当に貧しかったけど、ちっとも不幸そうではありませんでした。

彼らはもう、僕のことは覚えていないと思うけど、きっと、死ぬまでマリオの無限増殖のことは忘れないでしょう。

それほど、世界の子供達にとって、「スーパーマリオ」ってすごいゲームだったのです。



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