《「漢」と書いてマスラオ!》
さあ、どうする? この散らばった破片たち、どうやってドッキングさせればいいんだ?
こんな時こそ、マッスルドッキングだろうが!
と焦っている僕らを尻目に、冷静にファミコンの電源を切り、割れた破片をまとめるB君。そして、もう一度ソフトの残骸を差し込んでみる。
あれ? ちゃんと画面が出たぞ?
「大丈夫。ロムは生きてる。試合続行だ」
何て、かっこいいんだ。B君! カセットが壊れた事を責めるでもなく、おろおろと取り乱す出もなく、ホントにゲームのことになると、頼もしいね。
ほら、I君。B君もこう言ってくれてることだし、再開しようぜ、ファミコン。(喉元すぎればってやつ)
その部屋に、ほっとした空気が流れた。戦士のHPが1しか残っていないバラモス戦で、僧侶にターンが回ってきたみたいだった。
その後のB君は、いつもよりちょっと厳しい攻撃を繰り返していた。(テリーマンの必殺技ハメなど)きっと、それで思いの丈をぶちまかしていたんだろうと思う。
そりゃあ、そうだよ。B君だって小学生なんだもん。大事なカセット壊されて平気なわけないよ。
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