《忘れられないソフトクリーム》
「そこまで!」
審判の合図がありました。僕はやめませんでした。本当はここで、ポーズをかけなければいけないのですが、何喰わぬ顔で粘っていました。
「やめてください!」
と、審判が再度注意しました。
この辺が潮時だなと思い、僕はポーズをかけました。でも、それがいけなかったのです。僕がポーズした時、他の5人の誰一人コントローラーを離していなかったのです!!!
「何ぃぃぃ―――!!!」
僕はキャプテン翼の日向君ばりに愕然となり、何が何だかわかりませんでした。
「やめてください!!!」
と審判がめちゃくちゃ大きい声を張り上げました。その声に「カバ」はびくっと体が動いて、吸い込まれそうなため息を吐きました。その顔からはぼたぼたと汗が滴っていました。
「つくづく大人は信用出来ないな」と僕は心に刻みました。
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