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■ ドラゴンクエスト3 その2

《母親に並んでもらったまでは良かったが・・・》

けれども、3時間も並ばせたにも関わらず、帰ってきた母親の手にはドラクエはなく、
かなりしょんぼりしたのを覚えている。まるで
おおなめくじに塩をかけたみたいな少年俺。

(どうやら、抽選で当たった人にドラクエを配ったらしく、あえなく撃沈したとの事。
 僕と同じように母親を並ばせている小学生がかなりたくさんいたらしい。
 見知らぬ他人同士なのに、目が合うたびに
「あら、おたくもドラクエですか」みたいな、
 沈黙のバトルが広げられたとか、そうでないとか)

(ちなみに僕はその日、ドラクエ入手の興奮に我慢出来ずに、
 学校を早引きして、家でマヌーサをかけられたみたいに
 悶々としながら待っていたっす! 今、考えるとちょっとしたお馬鹿さんですね)

ドラクエ入手失敗という
健全小学生失格の烙印を押され、
がっくりと肩を落としたままの僕。そんな僕に向って母親が放った言葉。

「まず、1と2クリアしてから買えば」

メラゾーマ級の言葉の暴力!!!

この言葉には正直かなりのショックを受けた。
そうなのだ。
僕はドラクエ1と2を持っていたのにも関わらず、まだクリアしていなかったのだ。

1は何か草原を歩いてる時の音楽が暗いし、(今となってはかなりお気に入りなんだけど)、
2は最後の洞窟が難しくって難しくって、さっぱりパルプンテで抜けれなかったためである。

けど、僕はその事実より、クリアしてないのを母親に知られていたことの方がショックだった。

どうして知ってたんだ?

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