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■ ドラゴンクエスト3 その4

《不思議少年K》

「ど、どうしたの、それ?」
と問い掛けながら平静を保つのに必死こいてる僕。

「○○君(僕のこと)にかしてあげようと思って」

耳を疑った。耳にマヌーサかけられてるのかと思った。

だってとても信じられない。
その頃の事情を知っている人なら分かると思うが、発売したばかりのドラクエ3を、
クリアもしてないのにかしてくれるなんて、神様以外の何者でもない。
(チェーンソーで切られない方)

僕にはその時K君が、全部呪文を覚えた賢者に見えた。
K君からならドラゴラムを15ターンかけられても許してあげられる気がした。

そのあと、ゆっくりK君に事情を聞いてみると、
カセットを入手したのはいいのだが、うちには本体がないんだということだった。
本当に不思議度100%のK君だった。

(ちなみに、K君はツインビーの攻略本だけ持ってたりもした。ちょっとかわいい)

次の日、僕は言うまでもなく、ドラクエ入手失敗組にさらりと別れを告げ、
発売日入手組の輪の中へと入り、

「あそこでおおありくいがさぁ……」

なんて、小粋なトークをかましちゃいました。えへっ。

その日の昼休みのドッヂボールで、僕が集中攻撃を受けたのは言うまでもない。
外野に行ってもあてられたりした。


いじめかよ!!!

ドラクエがらみでいじめかよ!!!

(まぁ、それくらいの影響力は軽く有していたけれど)

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