《不思議少年K》
「ど、どうしたの、それ?」
と問い掛けながら平静を保つのに必死こいてる僕。
「○○君(僕のこと)にかしてあげようと思って」
耳を疑った。耳にマヌーサかけられてるのかと思った。
だってとても信じられない。
その頃の事情を知っている人なら分かると思うが、発売したばかりのドラクエ3を、
クリアもしてないのにかしてくれるなんて、神様以外の何者でもない。
(チェーンソーで切られない方)
僕にはその時K君が、全部呪文を覚えた賢者に見えた。
K君からならドラゴラムを15ターンかけられても許してあげられる気がした。
そのあと、ゆっくりK君に事情を聞いてみると、
カセットを入手したのはいいのだが、うちには本体がないんだということだった。
本当に不思議度100%のK君だった。
(ちなみに、K君はツインビーの攻略本だけ持ってたりもした。ちょっとかわいい)
次の日、僕は言うまでもなく、ドラクエ入手失敗組にさらりと別れを告げ、
発売日入手組の輪の中へと入り、
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