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■ ファンタジーゾーン(サン電子 1987〜) その3


《色とりどりの世界が僕を誘う》


もちろん、僕もそうだった。

たまに、お金持ちの子どもなんかがやってきて、10プレイ連続とかでやっていく。しかも、かなりの下手くそで、1プレイ2分もかからないうちに終わってしまうのだ。

「500円をたかだか20分かよ!!!(驚愕)」

と何度唇を噛んだことか!

「きっとこいつは、『夜ご飯がお茶漬けのみ』とか信じられないんだろうなぁ」

と、
頭の中で他人の家庭環境を浸食する始末。卑屈バリバリ伝説だったのである。

そうしたある日、僕は文房具屋にてくてくと歩を進めていた。クレヨンを買うためである。

夏休みの自由研究で僕は「虹」の絵を描くことになったのだが、僕が持っているクレヨンセットには、
「紫」色が入っていなかったため、「紫」色が入った24色のクレヨンを買う必要があったのである。それは500円だった。

しかも、母親は500円ぴったりしか持たせてくれなかった。僕がおつりで駄菓子を買うのを恐れたためである。
しっかりした父の配偶者である。

さて、文房具屋に到着したのはいいが、「所用のため、3時から店を開けます」と書いてある。あと1時間くらい残っているなぁ。何をして待ってようかなぁ。

ゲーセンでも覗いてみるか。いや、今日はお金がないからやめておこう。いいじゃん、覗くだけだったら。少し覗くだけだって・・・

店内に入ると、すぐに「ファンタジーゾーン」に目がいく。やはり、今日も大盛況だ。筐体の周りを20人位の少年たちが囲んでいる。その時、プレイしていた少年がゲームオーバーになった。

さぁ、次の挑戦者は誰だ・・・・

・・・・・

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