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■ アイスクライマー(任天堂 1985〜) その7


《粘着質の男》


「もう、そろそろやめようよ」

Sさんもとうとうしびれをきらして、コントローラーを投げ出してしまった。
すると・・・

「こら、ちゃんと持ってろよ!」

とコントローラーをSさんに突き返すK君。

お前がSさんをツンツンするから、こうなったんだろうが!!!

しかも、エヘ、エヘヘとまだ笑ってる。はぁ、K君って本当はこんな人だったんだぁ。

ここで、突然、衝撃的な事件が起きた。堪忍袋の緒が切れて、
Sさんがリセットボタンを押したのだ!

そして極度の興奮状態にあったK君は・・・

何と!!!

Sさんに抱きついてしまったのである!!!

・・・

どうして、K君がそういう行動に出たのか今でも分からない。


ただ、アイスクライマーのSさんのキャラを、ずうっとツンツンツンツン自分のキャラで押し上げているうちに、何か心が別の方に行ってしまったのだろう。

Sさんに対する一方的な感情が、一方的に親密な想いが、甘い風船のように膨らんでいったのであろう。

僕と他の女の子たちが、力ずくでSさんからK君を引きはがしたとき、Sさんは泣いていた。K君は我に返り、「俺、何をしたんだろう?」みたいな顔をしていた。

僕は深いため息をついた。これで、全部台無しだ。

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