《焼け野原》
その後、何かきまずくなって、僕とK君はSさんの家を出た。
K君はしょんぼりしているように見えた。僕は何も言わなかった。そして、僕らは別れた。
僕は自分の家について、ファミコンに電源を入れ、ファミスタのソフトを差し込んだ。選んだチームは西武だった。思う存分、東尾の変化球で三振をとった。でも、さみしかった。
涙を流してたSさんの顔。K君を哀れそうに見てた周りの女の子達の顔。出来なかったファミスタ。そのどれもがさみしかった。
でも、一番くやしかったのは、ファミコン大会での勝利の延長線上にあった、
ウハウハのときメモ状態を失ったことだった。
もう、あんなチャンス二度とあるまい・・・
■エピローグ■
次の日、クラスは、K君がSさんに抱きついたという話題でもちきりだった。
結果、K君は女の子に無視されがちになった。男達は無視しなかったが、積極的に話そうとはしなくなった。僕はいつも通りに接しようとしたが、むしろK君の方が僕を避けているようだった。
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