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■ アイスクライマー(任天堂 1985〜) その8


《焼け野原》


その後、何かきまずくなって、僕とK君はSさんの家を出た。

K君はしょんぼりしているように見えた。僕は何も言わなかった。そして、僕らは別れた。

僕は自分の家について、ファミコンに電源を入れ、ファミスタのソフトを差し込んだ。選んだチームは西武だった。思う存分、東尾の変化球で三振をとった。でも、さみしかった。

涙を流してたSさんの顔。K君を哀れそうに見てた周りの女の子達の顔。出来なかったファミスタ。そのどれもがさみしかった。

でも、一番くやしかったのは、ファミコン大会での勝利の延長線上にあった、

ウハウハのときメモ状態を失ったことだった。

もう、あんなチャンス二度とあるまい・・・


■エピローグ■

次の日、クラスは、K君がSさんに抱きついたという話題でもちきりだった。

結果、K君は女の子に無視されがちになった。男達は無視しなかったが、積極的に話そうとはしなくなった。僕はいつも通りに接しようとしたが、むしろK君の方が僕を避けているようだった。


やがて、時が過ぎ、クラスのみんなもK君との距離を少しずつ近づけようとしていた。K君もちょっと明るさを取り戻し、元気になったように見えた。

でも、二度と人気ナンバーワンになることはなかったし、もうお誕生日会に呼ばれることもなかった。

失ったものは、大きすぎたのである・・・


というように、「アイスクライマー」とは、
人生を狂わせてしまうほどの可能性を秘めたソフトなのである。まだ、プレイしていない人は、お早めのプレイをおすすめします。盲腸と一緒で、小さいときに経験しておいたほうが、あとから楽ですよ。

でも、決して、女の子のキャラをツンツンしなようにね(でも、みんなやっちゃうんだろうなぁ。きっと。)

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