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■ 消えた冒険の書 その2


《少年探偵団・・・》


もともと、Y君の家にはよく友達が集まってゲームをしていたので、
なかなか犯人を絞り込むのは難しそうにみえた。(すでに盗まれたものと決めつけている)

「ドラクエ3発表会」からソフトがなくなるまでの一週間、
Y君の家に入った子どもはY君の友達だけでも8人もいたし、
Y君の弟の友達を入れれば、全部で15人くらい
ということだった。

これはちょっと、お手上げである。

しかし、子どもは残酷である。あるクラスメートが、

消去法にて犯人を見つけようということを公の場で始めたのだ!

「○○君は、お金持ちだから、そういうことはしないし、
○○君は、性格がいいから、そういうことはしないし・・・」


みたいな感じである。

まるっきり根拠のない暴れんぼうぶりである。
正義感溢れるI君が、そいつを殴りつけたことは想像に難くない。(それにしてもI君、すぐ殴る)

これにより、公開捜査は打ち切られたが、僕の中での捜査は打ち切られていなかった。

そもそも、「きれいごと」はおいといて、「怪しい奴」というのは、やはり存在するものである。
僕は、自分一人の胸の中で、冷静に誰が盗んだのかを、分析していった。

どうしてそこまで執着したのかというと、僕とY君がすごく仲が良かったせいもあるが、
とにかく僕は真実が知りたかったのである。
ただ、それだけである。
(犯人が分かったところで、どうにかしようと思っていたわけでもないのだが)

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