《聞くも語るも涙のファミコンロード!》
-- 前置き --
これより、僕がファミコンというお宝をゲットするまでに、
どのような苦悩があり、どのような困難を乗り越えてきたのか、その過酷な行程を記す。
ハンカチのご用意をお願いしたい。
第1章 出会い(白と赤のその小さな箱が、僕の心を虜にする)
僕は、その頃小学2年生(3年生だったかも)のちょっぴり小生意気な少年だった。
ファミコンが発売されてまだそんなに時間がたっていなかったと思う。
うちの家庭は、どちらかというと貧しい家庭・・・ いや、そういう言い方は良くないな・・・
どちらかというと節約を重んじる家庭だったので、
1万4、5千円もするファミコンが買ってもらえるとは、到底思えなかった。
僕の父親は、平成の現在では社会問題に発展するのではないかというくらい、
体にものを言わせて子供をしつけるタイプの人間だった。
そんな彼に何かをおねだりするには、相当の覚悟と、勇気が必要だった。
そして、僕にはそこまでの覚悟も勇気もなかった。
(ちなみに、僕は父親に何かをねだって買ってもらえたという記憶が一切ない。別に恨んでるわけじゃないけどさ・・・)
でも少年だった僕は、ファミコンが欲しかった。どうしても欲しかった。
喉から手が出て任天堂本社に届くんじゃないかっていうくらい欲しかった。
友達の家で、はじめてF1レースをプレイしたときから、
僕は、もう本当に冗談抜きで毎日ファミコンの夢を見ていた。
軽い病気どころではない。立派な患者である。
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