《油断・・・》
次の日、家の前までやってきて、僕は大事に抱えたファミコンに目を落としていた。
一体このファミコンを父親に何と説明すればよいのだ!!!
1、「いらないと言っているのに、おばあちゃんが勝手に買ってくれた」
2、「スーパーの景品で当たった」
3、「砂場で拾った」
駄目だ! 圧倒的に駄目だ、駄目すぎる!
こんなもので、あの鬼を説得できるはずがない。
でも、だからといって、何か思いつくわけではなかった。
僕は、15分ほど、そこに立ち尽くした後、もうヤケになった気持ちでベルを押した。
もう、どうにでもなれだ。
迎えてくれたのは、母親だった。母親は、私がかかえたファミコンを見るなり、
『ははーん。おばあちゃんに買ってもらったんだ。
でも、お父さんは何ていうだろうねぇ。ヒヒヒ』
と、
「今からシンデレラに毒りんごでも盛るつもりかよ!」
と実の子にツッコミを入れられるような顔で言った。
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