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■ 僕がファミコンをゲットするまで・・・ その8


《独裁・・・》


僕と、その愛すべき筐体ファミコンの間を、ユーミンの「リフレインが叫んでる」が満たしていた。

どうして、どうして、僕たちは出会ってしまったのだろう・・・

「おい、何してるんだよ」

背中の方から、槍のように突き刺さる鬼の声は、やはり冷たく、そして重い。
そして、とっさに僕の口から出た言葉は・・・

「・・・・んーっと、機械の練習(謎)」

鬼はその後、僕の頬を往復で2回ぶった。
僕は痛みのあまり涙を流した。決して、自分の力不足が悔しかったとか、自尊心が傷ついたとかではない。
ただ、単純に物理的に痛かったのだ・・・うぅ

その後、父親は黙ったままファミコンを接続してくれた。
僕は黙って、それを見守った。
接続が完了した後、僕にやらせてくれるのかと思いきや、
自分で「スパルタンX」をやりはじめた。
僕は黙って隣で正座したまま見ていた(子供は本当に怖い人と対面すると自然と正座してしまうものです)
 
その後、一時間以上もやり倒したあげく、

「やっぱりつまんねぇな」

と言い放った鬼!

でも、それでも良かった。やっと、僕にコントローラーが回ってきたのだから。
僕は、感激の涙でスクリーンが滲むのを確認しながら、

「馬鹿、泣くのはシルビアを助けてからだろ」

と、優しく自分につっこんでいた。(エピソード1 完)


※1 今のプレステなんかは、テレビとの接続はすごく簡単だけど、
ファミコン発売当時の接続方法は、小学校低学年にはちょっぴり難しかった。
説明書を見たって、何が何やらさっぱりヘキサゴンって感じだった。
きっとあの頃、そういう愛すべき悩める少年たちが日本全土に散らばっていたと思う。
そう思うと何だか感無量である。それとも、僕だけなのか?

■エピローグ■
この後も、もちろん鬼との闘いは続くわけだが、また、それは次の機会に。
ただ、一つ言えることは、本当の鬼は母親だったって事だ・・・



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