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■ 僕がファミコンをゲットするまで・・・ その5


《あるイベント・・・》


でも、その時は8月の夏休み真っ盛りだった。
つまり、クリスマスを待つにしたって、あと4ヶ月もある。
血気盛んなファミコン少年にとって、コントローラーなしの4ヶ月は、
遊ぶことを忘れたレベル99の「遊び人」と同じくらいつまならい人間だ。
存在する価値さえ危うい。僕はさらに考えた。

「何か、何か出口はないか・・・」

でも、ウィザードリィでロストしたのかと思うくらいに、何もよい考えが浮かばないので、
カレンダーでイベントを追っていくことにした。
そこで目に入ってきた一つのイベント。それは・・・

「敬老の日」

※ 説明しよう。敬老の日とは、長年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日である。

子どもが老人から何かをもらえる日では、決してない。

敬老の日がやってきた。
僕は用意しておいた手作りの肩たたき券
(この頃は、敬老の日には肩たたき券と九州では相場が決まっていた。たぶん)と、
おばあちゃんの似顔絵を手に、バスでおばあちゃん宅にむかった。

おばあちゃんは、それはそれは喜んだ。
喜びすぎて、僕に頬ずりしたくらいである。もちろん、僕もうれしかった。
それと同時に、おばちゃんのある言葉を心の中でひっそりと待っていた。


僕は、プレゼントを渡した後も、おばあちゃんの家のそうじや、畑仕事を手伝った。
もともと、そういうのは嫌いではなかったが、いつも以上に僕は働いた。
そして、ついに、夕食の食卓で、その聖なる言葉は振ってきた。

「何か欲しいもの買ってあげようか?」

うぉっしゃーーーーーーーーーーーーーー(o^-')b !

そのときほど、おばあちゃんが菩薩に見えたことはなかった。
おばあちゃん本当にあの時はありがとう。まだまだ長生きしてね。

かくして、次の日、僕はとうとうファミコンというお宝をゲットしたのである。
でも、問題が解決したわけではなかった。

僕は両親に無許可でファミコンを買ってもらっていたのである・・・

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