《併殺打》
「でもね・・・」
僕が反撃に出ようとしたその瞬間、テレビの中で、巨人の誰かが併殺打を打った。
僕はその誰かを本当に憎んだ。
そして、父はこちらをゆっくりとふりむいた。彼の顔からは表情が抜けていた。
その顔は、シャアが搭乗するジオングの5倍ほどの威圧感があった。
「でも、何だ?」
「でも、みんな持ってるから、いっつもファミコンの話ばっかりだから、学校でも、だから・・・でも・・・」
僕はそのとき、冗談抜きで失禁してしまった。
あまりもの恐怖で、反撃に出るどころか、父親の顔さえも見れなかった。その時、母親が言った。
「ちゃんと時間を決めてやらせればいいんじゃないの?」
それまで陰に隠れていた母親が放ったその救いの一言!
「うるせえ!!!お前は黙ってろ!!!」
そして、それを一蹴する彼のおたけび!!!
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