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■ 僕がファミコンをゲットするまで・・・ その3


《併殺打》


「でもね・・・」

僕が反撃に出ようとしたその瞬間、テレビの中で、巨人の誰かが併殺打を打った。


僕はその誰かを本当に憎んだ。


そして、父はこちらをゆっくりとふりむいた。彼の顔からは表情が抜けていた。
その顔は、
シャアが搭乗するジオングの5倍ほどの威圧感があった。

「でも、何だ?」
「でも、みんな持ってるから、いっつもファミコンの話ばっかりだから、学校でも、だから・・・でも・・・」

僕はそのとき、冗談抜きで失禁してしまった。
あまりもの恐怖で、反撃に出るどころか、父親の顔さえも見れなかった。その時、母親が言った。

「ちゃんと時間を決めてやらせればいいんじゃないの?」

それまで陰に隠れていた母親が放ったその救いの一言!

「うるせえ!!!お前は黙ってろ!!!」

そして、それを一蹴する彼のおたけび!!!

うん、もう駄目だ。僕はあきらめるよ。
マリオ、僕は君とは遊べない・・・ 僕はニュータイプにはなれなかったんだ・・・。

「なぁ、子供は外で遊べ。いいな!!!」
うん・・・分かった

そう答える以外に、何ができただろう・・・

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